ブラック研究室の見分け方|失敗しない大学院の研究室選びを現役大学院生が解説!

大学院

こんにちは、はるさめです。

以前、「大学院って何?国立大学の修士2年が語るリアルな大学院生活と研究の日々」の記事で大学院について紹介しましたね。もしかしたら、読者の中には「研究って楽しそう!将来は大学院に進んで研究したい!」と思ってくれた方もいるかもしれません。

そんな方のために、今回は研究室の選び方についてお話しします。

基本的には「自分の興味がある分野の研究室を選べばOK」と思うかもしれませんが、実はそこに深い落とし穴があります。それが、今回のテーマでもある「ブラック研究室」です。

タル坊
タル坊

ブラック研究室って何?名前からしてなんか怖いよ!?💦

大丈夫、しっかり見分ける方法さえ知っていれば回避できます! 今回は、ブラック研究室の特徴と見分け方についてお伝えしていきます。

ブラック研究室とは?

ブラック研究室とは、学生にとって精神的・肉体的に過酷な環境で研究を強いる研究室のことです。明確な定義があるわけではありませんが、よく聞くエピソードにはこんなものがあります:

  • 進捗報告で教授に怒鳴られる、罵倒される
  • 明確な指示がないのに、自分で考えて進めたら全否定される
  • 成果を教授に横取りされ、自分の名前が論文に載らない
  • 就活に対する理解がなく、面接を理由に休むことができない
  • 土日も含めて毎日研究室に来るのが暗黙のルール
タル坊
タル坊

うわ….まさにブラック企業の研究室版だね…

このような環境に身を置いてしまうと、どれだけ研究に意欲のある学生であったとしても、学校に行く気が起きなくなってしまいます。

ホワイト研究室との違いとは?

一方で僕が所属している研究室は周りからホワイトだと言われることが多いです。実際に所属している学生たちもホワイトだと口々に言っています。僕の研究室はあくまで一例ですが、以下のような特徴があります。

  • コアタイムがない、成果重視型。いつ来て、いつ帰ってもOK
  • 学生からの相談に対して教授が親身になって対応してくれる
  • 学生間での関係性も良好で先輩が後輩に教える文化が徹底されている
  • 研究以外の話も気さくにできる明るい雰囲気がある
タル坊
タル坊

これは魅力的だね~!僕もこういう研究室に入ってみたいな!!

上のブラックとは全然違いますよね。個人的にうちの研究室のいいところは

「わからないことがあったときに教授や先輩を問わず、気軽に質問できる雰囲気がある

ことだと思っています。研究室に入りたての頃はわからないことが多いです。そういうときに質問して嫌な顔される研究室と親身になって一から教えてくれる研究室、どっちがいいでしょうか。

言うまでもなく後者ですよね。だからこそ、ブラックかホワイトかの見極めは非常に重要なんです!
今回はブラック研究室を見抜く3つのポイントをご紹介します!

ブラック研究室の見分け方|3つのポイント

その研究室の学生に話を聞く

正直、これが一番確実です。ポイントは「教授ではなく、学生の話を聞く」こと。教授から見た印象と学生から見た印象は全く違うことがありえます。

研究室見学にいくと、たいてい教授と話した後に学生と交流できる時間があると思います。そこで疑問に思っていることを全て聞いちゃいましょう。どれだけぶっちゃけた質問をしても配属に関して学生には一切権限がないので問題ありません。明らかなブラック研究室であれば、即座に「ここだけはやめときな」と言ってくれるはずです。

ただし、学生がブラックな体質に慣れすぎて”普通”に感じている場合もあります。

特にストイック集団タイプの研究室には注意が必要です。

  • 宇宙系などの人気テーマ
  • 学生が“やりがい”を感じて楽しそうに話す
  • でも実際入ると超ハイスペック集団でついていけない

この場合、主観的な感想よりも客観的な数値を聞きましょう。

  • 週の研究時間はどれくらい?(40時間超えは要注意)
  • 就活で何社くらい受けている?(2~3社だと就活をする暇もないくらい忙しい可能性大)

正直、博士に行くのでなければ、就活ではできるだけ多くの企業を見た方がいいと僕は思っているので、就活を縛ってくる研究室は人生設計を考えたうえでもおすすめできません。

他研究室からの評判を聞く

気になる研究室なんだけど、話を聞いているとちょっとブラックっぽい、、?でもまだ判断しきれないなぁというときは他の研究室の話も聞きに行ってみましょう。そこでストレートに

この学科で一番ブラックだと思う研究室はどこですか?

と聞いてみてください。2~3個の研究室を回ってみて、複数回ブラックとして挙げられている研究室はかなり赤信号に近いと思ってもらって大丈夫です。本当に避けた方がいいところは学科内でも十分噂になっているケースが多いので、外からの評判もかならず確認しましょう。

博士進学者の割合を見る

ちょっと意外かもしれませんが、博士進学者が多い研究室はホワイトな可能性が高いです。

タル坊
タル坊

えっ?めっちゃ研究させられてるから博士に行くんじゃないの?

もちろんそういうパターンもゼロではないですが、ブラックな環境で修士2年を耐え抜いた人間がさらにその環境で博士を3年間も続けようと思うでしょうか?

研究室の仲間に対して愛着があり、教授のもとで研究を続けたい、という理由で進学しているなら、そこは望ましい環境のはずです。僕の研究室でも、毎年2人程度が博士に進学しており、そうした人たちは研究に対して前向きに取り組んでいる人たちが多いです。

もしブラック研究室に入ってしまったら…

学部なら研究室の変更はできる

ここまでの話を聞いても、「ブラックであることはわかっているけど、どうしてもテーマが興味あるから入ってみたい、、!」と飛び込んでみる人はいると思います。しっかり周りの意見を聞いて、自分なりに考えたうえでそうした選択をするのは決して間違いではないでしょう。

ただ入ってみたら思っていた以上にきつくてもう無理かも、、、と思ってしまうこともあるかもしれません。そうなってしまった場合、ゲームオーバーかと言われると実はそういうわけでもありません。

実は研究室というのは学部のときから(多くは4年生から)配属されるんです。そりゃそうですよね。学部で卒業”研究”しているわけですから。なので学部から大学院に進学する際に研究室を変えることができます。なので、もしはずれ研究室に配属されてしまったとしても大学院で違うところを選べばいいんです。

ただそこには多少のリスクもつきまといます。

研究室を変えることのデメリット

研究テーマを一からやり直すことになる

これは結構大きいですね。研究室を学部と大学院で変えていない人はテーマが継続しており、変更があったとしても学部時代と似たようなテーマを扱っていることが多いので、ある程度研究の進め方や実験機器の扱い方が身についた状態で修士の研究を始めることができます。

一方で研究室を変えた学生は一からのスタートになり、また学部時代のように先輩のもとについてコードの確認や実験方法のチュートリアルから始めなければいけません。

しかも修士1年時には就活まであります。研究室継続の学生は就活で忙しくて研究に手がつけられない期間があってもこれまでの遺産である程度なんとかできますが、研究室を変えた学生はそうもいきません。これは大きなデメリットとして覚えておくべきです。

就活で研究の話が浅くなりがち

大学院生の就活である場合、研究のこともしっかり聞かれることが多いです。

その際に学部時代の研究を話してもいいのですが、学部時代と大学院で分けて聞かれることもあります。その場合に、就活に追われて、研究に深く取り組むことができていないと浅い話しかできず、

この子はあまり研究に真剣に取り組んでいないのかな?

と思われてしまう可能性があります。もちろんそれが選考結果に直結するわけではないですが、与えられたタスクにしっかり取り組めていない学生というのは決していい印象とはいえないでしょう。

それでも変えていい!しっかり選び直せば大丈夫

デメリットばかり挙げてしまうと「研究室変更は良くないのでは?」と思ってしまうかもしれませんが、そういうわけではありません。

僕の研究室にも他の研究室から移ってきた人がいますし、しっかり成果を出せている人も多いです。

もし移るのであれば、二回目の研究室選びではブラック研究室を絶対に選ばないようにしっかり熟慮して、自分に合った研究室に移るようにしましょう。

そこで心機一転、周りよりも少しモチベーションを高くして研究に取り組めばいいだけです。研究に前向きに取り組んでいる姿勢が伝われば研究室内でのサポートも受けやすくなると思います。

タル坊
タル坊

要は、“次こそ間違えない”ってことが大事なんだね!

まとめ|「人」と「環境」が研究生活を左右する

僕は現在修士2年で今の研究室では3年目になりますが、この研究室を選んで本当に良かったと思っています。

この二年ちょっとで学会発表、論文執筆、表彰と貴重な経験もいくつかさせていただけましたが、正直自分の成果の半分以上が教授や先輩のおかげだと実感しています。

研究テーマへの興味や情熱ももちろん重要ですが、それだけでは続けていくことはできません。
必ず誰しもどこかで壁にぶち当たる瞬間が訪れます。

そのときに一緒に相談に乗ってくれる同期や先輩、教授という仲間がそばにいることはとても大事です。皆さんにも自分に合った研究室を見つけて、”仲間”とともに研究を進めるたのしさ、面白さを実感してほしいです。

タル坊
タル坊

やっぱり人と人の関係性ってすごく大事だよね

それでは今回はこの辺で。また次回のブログでお会いしましょ~!

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